ブログ食堂—粗食編


当店のメインメニューは「土鍋ご飯」!
主食が主役のちょっと変わった食堂で、店主とお客の四方山話が今夜もひっそりと繰り広げられます。

2011年11月3日木曜日

シゴトって何?

16PK (客、以下16) どうも〜。

mima (店主、以下m) あらあら、いらっしゃい。本当にたまにしか来なくなったわね。

16 ごめんなさい。。。自分でご飯を作るようになってから、食材のこととかも考えるようになって、そうしたら、自分で作りたくなっちゃって…、「無肥料、無農薬の米」つくっちゃいました、(笑) 脱穀まではなんとかいったけど、その後のモミスリをどうしようか…とか色々あるんですけど、うまく玄米までできたら、女将さんにもお裾分けしますね!

m ありがと。いいね、そういう生活。生きるための食べものを作る。そのために汗を流す。もう、それだけで、色んなめんどくさい問題が解決できるような気がする。

  お、そうだ。ちょうど、おにぎりができたとこなんだ。どうぞ召し上がれ。

16 …。

m ??どした???

16 (おにぎりを口にほおばりながら)でもね、女将さん。今のワタシって、世間からは「マニアックな変わり者」として見られているような気がしてるんです。。

 現に、実家の家族からは「どうして仕事をやめたんだ??遊んでばかりいないで仕事しろ」と言われちゃってるし。。。自分たちで食べる米や作物をつくることは、彼らにとっては「遊び」なんですかね…。

 今年、米とか大豆とか野菜を作るために、むっちゃ肉体と頭脳を酷使したと思っているんですが。。。ごめんなさい…なんだか愚痴ってますね…。

 でも、「仕事」=「現金収入」という今の構図ってちょっと違うような気がしてならないんです。

2011年5月29日日曜日

お招き用お品書き「手巻き寿司」と「きなこ飴」

ひっさびさのお品書き投稿です。

なんと、今回は16PKが腕をふるって、女将の誕生日をお祝いしています。
さあ、16PKからお品について説明してもらいましょう。



手巻き寿司

今回すし飯には、あえて、もっちりした「たきたて」という品種を使いました。
と、いうか、ごめんなさい、それしかなかったんです…
玄米なのに、もちもち、冷めても、もちもち。
香りも豊かで、華やかなかんじに仕上がりました。

海苔は宮城県七ヶ浜産です。

そして、気になる「具」ですが、
今回は、鰹(刺身)と佃煮にしてみました。








 鰹のお刺身

今が旬の鰹は、とにかく、ウマい!

 鰹の下に見え隠れしているものは、無農薬キャベツの千切りです。

すりおろしたて生姜をのせ、そのまま醤油をつけて巻き巻きしていただきました。








  

小女子とおかかの佃煮

椎茸とかんぴょうの佃煮

右の写真では右が小女子、左がかんぴょうの佃煮です。

実は、今回初挑戦のお品でどっきどきでしたが、女将さんに好評のようでした。(よかった…)









汁物は、お麩とイタリアンパセリのお吸い物とシンプルにしました。



そして、食後は女将さんの出番です。




予め作っておいた「自家製きなこ」を使って、腹一杯のお腹にもやさしい「きなこ飴」を作りました。

材料はいたって、シンプル。

黒糖ときなこ。



 お腹いっぱいだったはずなのに、ぺろ〜〜んとたいらげてしまいました、笑。






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2011年5月21日土曜日

初!肉料理メニュー登場!!

16PK (客、以下16)  こんばんは〜。

mima (店主、以下m) お〜〜〜〜〜!!生きてたんだね〜〜!

16 はい、女将さんもご無事で何よりでした…。お店の方は大丈夫でしたか?

m うん、お皿とか少し割れてしまったけど、でも、この通り、大丈夫よ。

16 良かった…。当時、物流が全く途絶えてしまった上、車のガソリンも手に入らない状態だったのにもかかわらず、こうして生き延びることができたのは、女将さんのお陰なんですよ。

m ん?どういうこと??

16 女将さんから、ご飯とみそ汁と漬け物があれば、大丈夫ということを教わらなかったら、私、どうにかなってたのかもしれないですよ、ホント。あと、ちょっとした誇りも持てたし。

m と、いうと??

16 実は、私、あの災害時に一回もスーパーの列に並ばなかったんです。私には必要ないと思って、あのとき本当に必要な人たちに譲ったんです。

m すごいわ!もう、初めてこの店の暖簾をくぐったときの「へなちょこサラリーマン」とは別人ね!!

16 …。へなちょこ…って、また、失礼な…、笑。でも、ホント、自分でも、あ〜〜変わったな〜〜と思います。粗食するようになってから、妙に落ち着いて物事を考えられるようになったっていうのかな…。以前だと、車を運転してる途中、マナー違反する車に対して、ものすごくイライラとかしていたけれど、それも不思議となくなって、今は、「譲ること」が寧ろ自分にとっても、相手にとっても、そして、全体にとっても効率的に物事が働いて、結果的に交通渋滞とかなくなるんじゃないか…とか思えるようになったんです。

m 「タイプB」のいい男になったんだね〜〜、素敵な心がけだね。
(「タイプA」「タイプB」については「レンスウチョウ」を参照)

16 あ…あれ???ところで女将さん、今夜はなんか、この店には似つかわしくない臭いがただよっていますが…。

m ふふ!!お腹すいたでしょ。ほら、どうぞ、召し上がれ。


16 !!!?女将さん…どうしたんですか??? これ、肉料理じゃないですか??
以前、あんなに、「肉」を蹴散らかしていたのに…(「 不幸な肉を召し上がれ」参照)

m まぁまぁ、食べてみてよ。




16 あ…、はい…。

(ぱく…)

16 うわ!すっごく、煮込んでますね…。口に入れるとやわらかくほぐれていきます。うまいな〜〜。

でも、これ、何の肉ですか?

豚…にしては、脂身少ない感じだし…。


m 実は、これ、「イノシシ肉」なんだ。

16 !!!

m ご近所に「イノシシ猟」をしている方がいらして、その「おこぼれ」をいただいたのでした。

16 へ〜〜〜!!、初めていただきました。もっと臭いがきつくて、かたくて、まずい、っていう先入観があったんですけど、いや、これは、んまい!!

m でしょでしょ??しかも、いわゆる「自然」に成長しているから、変なホルモン剤も抗生物質も投与されてないし、それこそ、安心、安全よ、笑。

16 確かに…。でも…、そっか…、なるほど…。

m ん??

16 あ、いえ。ほら、うちの実家、農家だって前にお話ししたじゃないですか?

m うんうん、聞いた、聞いた。

16 実は、過疎化で里山が荒れてしまったせいで、山と人里の堺がなくなりつつあって、山からイノシシがおりて畑を荒らすようになったんですよ、特に最近の被害はひどいらしいんですが。

m うん、深刻な問題だよね…。

16 はい。でも、こうやって食べてしまえばいいかなと、笑。なんつったって、うまいし、笑。

m あはは!!!

そうね、スーパーに陳列された赤い固まりには、もはや、それが以前「生命」だったことは想像つきにくいけれど、こうして、命のつながりを感じながらお肉を少しいただくことはココロのご馳走にもなるし、私たちが「いただく」ことによって、農家さんの「にっくき敵」だったイノシシが「安全な食料」にもなりうるってことよね。

16 あ、私の尊敬する槌田先生もこう話していました。

ヨーロッパの人々は「人間は悪い動物だ」という。彼らは過去においては自国の環境を破壊し、近年では元植民地の環境を徹底的に破壊することで自国の環境を維持してきた。その結果が森林率に現れている。
(中略)
しかし、日本人は、人間を悪い動物だとは考えていない。自国の自然が今も豊かなので、別に環境をよくしなければならない理由はない。
 (中略)
日本の自然が豊かなのは、祖先の行動が自然の循環と適合していたからである。祖先は悪意もなければ、善意もなく、ただ自分たちの生活をよくしたいという欲望のまま行動したことがよい結果をもたらしたのである。

これを単なる偶然と考えるべきではない。

他の生物がやっていることと同じようなことを人間もする。

それがヒトとして「よい生活をする」ということであると気づけばよいのである。

つまり、草食動物が野原で食事をし、そこに糞尿をばらまくように、人間も自然から自然を得て、廃棄物をそのまま自然に還す。このことを基本とすればよいのである。

(『「地球生態学」で暮らそう』著:槌田敦 から抜粋)


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